「緊急事態宣言」発令。笑顔でバイクに乗れなくなってしまったアナタへ

2020年4月7日、日本政府は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて「緊急事態宣言」を発令した。

対象となったのは東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県で、実施期間は4月7日から5月6日まで。あまり悲観的なことは言いたくはないが、他国や現在の東京の状況を鑑みると、あと1ヵ月や2ヶ月で収束するとはとても思えない。長期戦は必至だろう。 


それにしても「不要不急の外出自粛」という要請は私のようなライダーにとって死刑宣告に等しい。移動の自由を楽しむことが、バイクの魅力、その根源だからだ。 しかし、少し考えてみれば外出が「不要不急」だったからといって感染リスクが高まる訳ではないことが分かる。
ウイルス感染は科学的な事象である。新型コロナウイルスは飛沫感染と接触感染によって広がると厚生労働省も明言している。再三アナウンスされている「三つの密(密閉・密集・密接)」など、感染しやすい条件に身を置けば、それが不急だろうが火急だろうが感染リスクは高まる。当たり前のことだ。

外出自粛要請は各々が感染しないよう適切な行動を心掛けることができれば、本来は必要のない措置だったとも言える。だが、人口が1億人も以上もいればその「適切」な行動の見極めができない人(もしくは集団)が必ず存在する。わざわざ感染リスクの高い場所に行くのはそもそも論外だが、「感染しそうなシチュエーションだけど、マスク着用などの対応をしていれば大丈夫」みたいな甘い考えの人もまだまだ多数いる。こうして国は強い権限で一律な対応を取ることになる。この度の緊急事態宣言はまさにそれだと思う。 


だから「緊急事態宣言が出ているのにバイクに乗るなんてケシカラン」みたいな物言いはくだらない。感染リスクを高めるのは外出の理由や動機ではない。


誰とも接触しないならば例え1000㎞走っても、100回ツーリングしても感染が拡大することはない。都心の通勤電車と比べ、どちらのリスクが高いかは明白である。
だが、私たちライダーも一人残らず社会的な存在である。このまま新型コロナウイルスが蔓延すれば、経済も底なしに落ちていく。そうした状況下でバイクツーリングに出かけ、満面の笑顔でいられるほど我々のハートはタフではない。
つまり、不要不急の外出だからといってウイルスに感染する訳ではないが、社会の一員である以上、後ろめたさを感じずにツーリングするには不要不急ではない、正当(公的)な理由や動機が少なからず含まれているといい。 


私は横浜市の二俣川献血ルームで献血を行った。リニューアルされたばかりで、まるでカフェのような建物だ。バイクは献血ルームの前に駐車できる。


胸を張ってツーリングできる動機……探せば色々あると思う。
私がすぐ思い付いたのは「献血プチツーリング」である。日本赤十字社のホームページを見ると、こうしている間にも毎日約3000人あまりの患者が輸血用血液を必要としているという。3月上旬には献血協力者の深刻な減少を受けた。著名人の呼びかけもあり、一度は持ち直したが、血液はそれほど長く保存できない。状況は現在も好転していないだろう。

献血は新型コロナウイルスの感染拡大で懸念される「医療崩壊」を防ぐことにも繋がる立派な外出理由だ。 ちなみに、いまのところ血液を介してコロナウイルスの感染が広がったケースは一例も確認されていないという。

テレビを見ながら採血。私は超健康体なのでいつも400㎖献血している。献血はいくつかの基準をクリアしなければできないのであらかじめ日本赤十字社の㏋で確認しておきたい
時期や献血ルームによって異なると思われるが、献血者にはいくつかの特典がもらえる。この日もらったのはハーゲンダッツのアイスとマスクケース(マスク1枚付き)。洗濯洗剤は「サポーター会員」の会員特典だ。コーヒーやジュースは飲み放題。


もちろん自身の体調やこれまでの行動(三つの密にいたことがなかったか等)をよく鑑みてから行動に移すべきだ。献血ルームで感染を広げてしまっては元も子もない。他者には近付かない。こまめに手洗いをする。あらかじめ日本赤十字社からの㏋から予約をしておけば、優先的に案内してくれるのでスムーズである。その分、感染リスクは小さくなる。
行くときは一人だ。自分はすでに感染者ぐらいのつもりで、人のいるところには一切近づかない。バイクがスーパーカブだったので、普段見過ごしがちな細い路地をあちこち寄り道しながら走ってみた。慎重な運転に努め、絶対に事故に合わないようにする。 ケガをして病院のお世話になるなどなどもってのほか。


献血の帰り道、春の風を全身で感じ、日本の美しい自然を愛でながら自由に移動できることの喜びを改めてかみしめた。やっぱりバイクに乗っていて良かった。 


(文・写真/佐藤旅宇)


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