エンスー入門車としての旧式ジムニー(第3回)

いきなりやってきた2ストジムニーの洗礼


いまさらのカミングアウトですが、私はメカが苦手。

小学校の図工や家庭科の課題もまともに完成させたことがないという札付きのぶきっちょであります。長くオートバイに乗っているのでキャブレターのオーバーホールぐらいはやったことはありますが、メカに対する苦手意識は40歳になったいまも変わっておりません。

「そんな私でも楽しめる旧車がこのSJ10のジムニーだ!」 というのが、この連載のそもそもの趣旨だったのですが、そうは問屋が卸さない。やっちまいました。手に入れて100㎞も走らないうちにエンジン焼き付きの大惨事……。 

事の発端はSJ10を手に入れた数週間後。某所で買い物を済ませて帰ろうと思ったらエンジンがかからなくなっちまったのです。

セルをいくらブン回してもかかる気配はゼロ。じゃあってんでレンチを持つ手もぎこちなくスパークプラグを外してみると3本とも電極が真っ黒。新

品プラグに交換してもウンともスンとも言わないので、やむなくJAFを呼んで、ダメもとで自宅近くのスズキディーラーさんに見てもらうことに。何せ個人売買で購入したばかりなので他に頼れるショップを知らないですから。

ディーラーさんには原因をすぐに突き止められるほど2ストエンジンに精通している方がおらず、問題のありそうな部品をまとめて交換するという方法で対処してもらうことになりました。


 1ヵ月後、修理が完了したとの連絡。原因はキャブレターのニードルジェットの不良によるオーバフローで、クランクケース内にキャブからあふれたガソリンが溜まっていたそうな。

デスビキャップやデスビカム、ポイント、コンデンサ、スパークプラグといった点火系部品から、リードバルブ、インマニのガスケット、フューエルポンプ、ダイヤフラム、キャブのニードルジェット、フロート、燃料ホース等々を交換し、修理代金は工賃含めて約8万円。これが高いか安いのかの判断ができないあたりが旧車素人の悲しさ。

ま、純正部品があるうちに交換しておくというのは決して無駄なことではなかったと思います。 

ちなみに私のSJ10は前回の車検時にウォーターラインのリフレッシュやマフラーを新品に交換するなど、そこそこしっかりとした整備を受けているようでした。

そう、SJ10はいまだに純正マフラーの新品が出るんですよ。オークションサイトなんかを見ると、まだメーカーに部品があるにも関わらず、中古パーツが高額で出品されていたりするので注意が必要です。

ただ、マフラーのような大物はある程度オーダーが溜まったら製造するよう。前オーナーはこれで1年近く待ったとか。


愛車を引き取りご機嫌の帰り道。

が、急にガス欠のようにエンジンが吹け上がらなくなり、アイドリングはゴトゴトと青息吐息。うーん、良く分からんけど1気筒動いていない感じであります。JAFを呼んでディーラさんにトンボ返りし、後日シリンダーヘッドを開けてもらうと見事に3番ピストンが焼き付いていました。

こいつを直すにはシリンダーを削って傷をならし、ピストンをオーバーサイズのものに交換するしかない。しかし純正のオーバーサイズのピストンはすでに廃盤のためディーラーでは対応が難しいとのこと。どうなる私のジムニー、私のエンスーライフ!? 


(文・写真/佐藤旅宇)



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