ズバリSJ10みたいな自転車が完成しました!
憎きCOVID-19のせいもあって前回の記事からすっかり間が空いてしまいましたが、ちゃんと完成しておりますぜ。SJ10こと81年式ジムニーにぴったりな自転車が!
黎明期のMTB(マウンテンバイク)、すなわち「クランカー」風の自転車を作ると宣言した通り、ご覧のような仕上がりになりました。
レトロなフレームワークにうっとり。
トップチューブ、つまりフレーム三角形の上辺が真っ直ぐになっているものを自転車の世界では「ホリゾンタル」などと言います。現代に比べてフレームの設計や生産技術が未熟だった頃の象徴的なディテールなのですが、私のような一部の変態的志向のある自転車乗りは、そこにシビれるあこがれるゥ!という訳です。
組み合わせるパーツは上を見ればキリがないので、イメージに合ったものの中から、なるべく安価な製品を「I.D.E.STORE」の井手さんにチョイスしてもらいました。
安価だけどチープではないパーツをチョイス!
①サドルは往年の名作を復刻したセライタリア「ターボ 1980 BROWN」。②アメリカ・メリーランド州のパーツブランド、ヴェロオレンジの「クランカーバー」。日本で手に入る現行品としては恐らく唯一のクランカー風ハンドルバーだと思う。③タイヤはフレームのクリアランスいっぱいっぱいのマキシス「DTH 26×2.30」をチョイス。もちろんレトロなスキンサイドで。ブロックタイヤではないけれど、空気圧を落とせばダートでもそこそこ遊べるはず。ちなみに現在のMTBでは27.5インチ(650B)と29インチが圧倒的な主流になっています。④クランクはスギノ「RD2BXクランク」。⑤VANSとカルトのコラボによる「ワッフルグリップ」。パターンがVANSのスニーカーと一緒になっております。⑥オールドスクールなBMXやMTBでは定番のVP「 VP-747ベアケージトラップペダル」。⑦ブレーキはテクトロの機械式ディスクを採用。⑧ステムやシートポストは安価でモノがいいディズナ。すべてポリッシュで統一した。
井手さんから引き取って早速、近所のダートをちょこっと走ってみたのですが、これがめちゃくちゃ楽しい。
サスペンションフォークや変速機といった部品が付いていないので路面からのインフォメーションがビンビン身体に伝わってくる。ちょっと道の荒れたところを走るだけで猛烈な「やってる感」が味わえるのです。もうまさしくSJ10の乗り味ですよ。
あとこのモーターサイクルみたいなハンドルバーの操縦性が独特。反応鈍いし、車体の抑えも効きにくいんですけど、クロモリ製のためか重厚でガッチリしていて握っているだけですごく気持ちいい。いや~面白い。
それにどうです?この雰囲気のある佇まい。
いまどきのMTBはハイテクが行き過ぎてしまって、ルックス的には自然とあまり調和しないですけど、こちらは文句なし。レクサスLXとジムニーの違いですな。ポリッシュパーツが光を受けると輝くのもたまらんです。
製作にかかったお金は工賃含めて17~18万円。シングルギアの自転車としては高価かも知れませんが、オンリーワンの自転車としては安い。部品のグレードを落とせば14~15万でも同じような自転車を作ることはできると思います。もちろん組み立てを自分でやればもっと安くあげられますよ。
新型コロナウイルスのせいでジムニーに乗せてのお出かけはいまだできておりません。次回ではジムニー+クランカーで大人の自転車遊びの提案ができたらと思ってます。
(文・写真/佐藤旅宇)
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