俺のヤングマシン図鑑!【250㏄ 4気筒ネイキッド編】

1980年代から2000年代にかけて、若者たちに絶大な支持を受けたモデルを筆者の体験を交えつつ紹介。元気で、ルックスがキマっていて、ノリが良くて、ハッタリが効いて、できれば安くて……時代を彩った“ヤングマシン”は若者たちを映す鏡でもあった。 

(『MOTO NAVI』2017年10月号に掲載されたものをWEB用に加筆・修正)


「250㏄ 4気筒ネイキッド」編
いまはなき250㏄4気筒ネイキッド。非論理的なコンセプトが若者の上昇志向を刺激した


4気筒でオトナの階段昇る
いまから20年以上前、我ら16歳の原チャリ小僧たちにとってインラインフォアの突き抜けるような排気音は憧れでした。そしてバラバラと不安定な2スト単コロとは明らかに違う精密な回転感。そこに得も言われぬない「大人」を感じた。当然、中免を取った暁には4気筒、さしあたっては車検のない250㏄あたりが欲しくなるわけです。

当時はレーサーレプリカブームが終わり、そのハイパフォーマンスな4気筒エンジンを流用したネイキッドが各社からラインナップされているという、今となってみれば特殊な時期。新車・中古車のタマはよりどりみどりでした。第二次大戦後に行き場のなくなった軍用車が民間転用されるようなもんでしょうか(笑)。

ただ、実際にこれらのマシンに乗ってみると F1のごとき勇ましいサウンドとは裏腹にまったく加速にパンチ力がない。走ってどうこうより、ビッグバイクと同じメカニズム、雰囲気を楽しむためのマシンというのがその真の姿だったように思います。だから後年にCBR250Rが水冷単気筒で登場した際、「4気筒じゃないのか」と注文を付けるおじさんライダーが少なからずいましたが、私はまったくそうは思わなかったですね。かつての250㏄4気筒ネイキッドはエントリーユーザーや若者が街乗り&ツーリングをメインに楽しむのバイクとしては、その成り立ちやコンセプトが少々いびつだったと思います。しかし、それゆえに上昇志向の強い若者の心を強く捉えたのでした。


スズキ・バンディット250(1989年~) 

GSX-R250Rのエンジンを鋼管パイプのダイヤモンドフレームに搭載したネイキッド。写真の初代モデルはフレームだけではなくスイングアームまで外装ど同色にペイントされるなど、垢抜けたスタイルだった。この初代モデルはとにかくキャブの不調が多く、排気口が煤けてる個体はやめとけ、と当時懇意にしていたバイク屋の親父に言われたものである。 

ホンダ・ジェイド(1991年~) 

カムギアトレーンを採用したCBR250RRのエンジンを丸型断面パイプのダブルクレードルフレームに搭載。いま見ると翌年登場のCB400SFにも通ずる、オーソドックスな良いスタイルだったと思うが、地味過ぎたかパっとしないままホーネット250へとバトンタッチ。中学の先輩がこれに乗っており、超高回転型のエンジンから発せられるエキゾーストノートは遠くからでもすぐに判別できた。

カワサキ・バリオス(1991年~) 

こちらはZXR250のエンジンを流用。超高回転型の水冷直4にユニトラックサス(いわゆるモノサス)という車体構成はゼファーのようなコンベンショナルなネイキッドとは違ったが、どこかヤンキー受けする不敵なスタイリングがカワサキらしかった。97年のフルモデルチェンジではリアサスが2本ショックになるというある意味“逆進化”を敢行。2007年まで販売が行われた。 

ヤマハ・ジール(1991年~) 

FZR250Rと同じシリンダー45度前傾の「ジェネシス」エンジンを搭載。「ジャンプするイルカ」をイメージしたというスタイリングはヤマハらしく爽やかで躍動感のあるものだが、当時のネイキッドユーザーの嗜好にはいまいちマッチしなかった。楕円パイプ製のダイヤモンドフレームと右二本出しマフラーがモダンな印象を与える一方、なぜか古典的な2本ショックを採用している。 


(文/佐藤旅宇)

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