僕たちの世代はバンライフだ!

2月1日から幕張メッセで開催されている「ジャパンキャンピングカーショー2019」に行ってきた。 軽キャンパーから、日本では運用が難しそうな輸入大型キャンパーまで、約300台の車両が展示されていたが、私がもっとも心を惹かれたのは京都のワークヴォックスが手掛けた「SEDONA」(セドナ)と名付けられたシリーズだ。近年にわかに注目されている「バンライフ」をテーマにしたキャンパーである。

「セドナ LAKE SIDE」

「セドナ typeⅢ」



バンライフ―――車(バン)に生活道具を積み込んで、自由に放浪しながら暮らすライフスタイルのことだ。安価な中古車をDIYで車中泊仕様に改造し、サーフィンを楽しみながら各地を流浪する、そんなイメージである。70年代のヒッピーカルチャーがそのルーツと思われるが、現在はファッション的な側面から好事家の注目を集めている。つまり、実際に放浪生活をする訳ではないが、自己表現の一種としてバンライフ的な車を好む人が増えているのである。バンライフ的な車のことを、ここでは仮に「バンライフカー」と呼ぶことにしよう。
 一見、このバンライフカーとキャンピングカーは似ているが、根本的な思想が大きく異なる。キャンピングカーが自宅と同じように過ごせることを目指した車であるのに対し、バンライフカーはそもそも自宅をもたない人が乗るための車なのだから当然である。
個人的な見解だが、カルチャーとしてのバンライフカーの定義はおおむね下記のようなものではないだろうか。


①古い車がベース

②生活装備は最低限のもの

③木材によるインテリア

④2人で使うことが前提

新車である以上①を満たすことは不可能だが、SEDONAはハイエースのなかでももっともチープなDXバンをベースにすることで往年のバンライフカーらしさを演出する。前席は3人掛けのベンチシート。エアコンもマニュアル仕様だ。

セドナ typeⅢはキッチンのないシンプルな仕様。LAKE SIDEにはキッチンがあるが、キャブコンのように車内で生活のすべてが完結するようなホスピタリティはない。基本的には乗用車以上、キャンピングカー未満の車中泊仕様といってもいいだろう。



「セドナ typeⅢ」のインテリア


「セドナ LAKE SIDE」のインテリア


バンライフカーのインテリアは木材が多く使われる。どこでも簡単に入手でき、誰でも加工や修復がしやすいというのがそもそもの理由だと思うが、インテリアの雰囲気の違いはキャンピングカーとバンライフカーを隔てる大きなポイントである。日本の一般的なキャンピングカーは電子レンジやTVといった快適装備をふんだんに備える一方、そのセンスは基本的に機能性重視だ。ビジネスホテルの部屋のようなもので「暮らす」ことを前提にしていない。一方、バンライフカーでは就寝定員をむやみに増やすことはせず、夫婦または恋人同士でゆったりと暮らすための空間作りがされている。そして、その意匠にもオーナーのライフスタイルが色濃く反映される。例えばサーファーならカルフォルニア風の意匠に仕上げてみたり、と。セドナのインテリアももちろん木材、それも無垢材がメインに用いられているので経年による変化も楽しめる。主と一緒に年齢を重ねるまさしく家なのだ。

「不便をあえて楽しんでもらいたい」 

SEDONAを作った若いスタッフの方がこんなことを言っていて、我が意を得た。きっとこれは世代的な感覚と無縁ではないだろう。子どもの頃から使い捨ての製品がスタンダードとして世に溢れていた我らアラフォーには、少々不便でも一生を添い遂げられるような普遍性のあるプロダクトがカッコいいのだ。バンライフカーは我らの世代にマッチした旧くて新しいキャンピングカーの姿だと思う。


(文・写真/佐藤旅宇)




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