格安中古車ではじめるクルマ遊び Vol.01

乗り出し40万円の日産ラルゴはこんなクルマ


車両代込み総額100万円でカスタムカーを作るという目的で購入した日産ラルゴ(前回の記事を参照)。

当初は動画コンテンツとして記事を制作予定だったのですが、「格安中古車ではじめるクルマ遊び Vol.01」とタイトルも新たに、いつも通り写真とテキストでやることにしました。スキルや機材の問題というより、私自身があんまり動画コンテンツ見ないんですよ。だからいまいちモチベーションが上がらなくてねえ……。

たった1回動画上げただけで方針転換するのも何だかカッコ悪いですが、まあ内容の方はしっかりやりますんで見ていてください。


さて、今回の記事では、新規車検2年付乗り出し40万円で購入した私のW30型ラルゴがどういう車だったのかについて、試乗した印象を交えつつ書いていこうと思っております。

私が購入したのは96年式モデルですが、W30型ラルゴが登場したのは93年のことです。


広告のキャッチコピーは「ポストセダンをどうぞ」


何のこっちゃって感じですが、当時は現在のように「ミニバン」というカテゴリーがファミリーカーとして定着する前だったので、広告もセダンからの乗り換え需要を強く意識したものだったんですね。

それまで多人数が乗れる乗用車といえば、タウンエースやバネット、デリカといったワンボックスタイプのワゴンがほとんどでした。

しかし、これらはもともと荷物を運ぶためのキャブオーバー型トラック/バンから発展した形態なので、セダンより運動性能や乗り心地、静粛性、安全性が劣り、イメージも良くなかった。

W30型ラルゴはバンの設定がなく、純粋なワゴン専用車として開発されましたが、車体構造的はほぼワンボックスカー。いわばワンボックスからミニバンへと発展する過渡期のモデルです。

フロントに短いボンネットが設けられているものの、エンジンは前席の下に縦置きに搭載。プロペラシャフトを介して後輪を駆動するFR方式となっています。そのため、キャビン前方にエンジンを横置きしたFF方式を採用する現代ミニバンと比べ床が高く、前席と後席に段差があって車内の一体感に欠けます。

私が購入した個体は2.4L四気筒ガソリンエンジン搭載のハイウェイスター。フルノーマルで内装がまるで新車のように綺麗でした。

ステアリングホイールのテカりなし。ドアの内張りやステップといった傷つきやすい部分もまっさら。オーディオやエアコンのスイッチに書いてある白文字もくっきり。

こういうところの使用感がないとすんごく新車っぽく見えるんですよね。

総走行距離は約5万5000㎞。ちょっと走った感じだとエンジンとトランスミッションの状態も抜群でした。

要するにコミコミ40万円の中古車としては文句なしの「当たり」といえるでしょう。

もっとも、コンディション良いからといってクルマが良い訳ではありません。

やっぱり24年分のクルマの進化って伊達じゃない。現代のミニバンと比べるとラルゴはあらゆる部分がおハナシにならないぐらい古い。

とくに気になるのが乗降性の悪さ。運転席へはステップに片足をかけてアシストグリップを掴みながら「よっこらしょ」と乗り込む。どちらかというとハイエースの仲間って感じ。


当時、日産の経営状態がよろしくなかったせいなのか、同時期のトヨタ・エスティマ(89年登場)や、ホンダ・オデッセイ(94年登場)と比べても、基本設計が遅れている気がします。

このクルマを購入する際に初代オデッセイの中古も見にいきましたけど、あちらはヒンジドアであること以外は現代の目から見てもさほど違和感なかったです。


走るとまず気になるのがボディの剛性感の乏しさ。全体的にフワフワしていて何とも締まりのないフィーリングなんですよね。

内装の建付けも華奢というか軽薄というか……あちこちからギシギシと音がします。

それなのに走り自体はすごく真っ当なのが不思議なところ。セッティングで上手いことバランスをとってるんでしょう。ハンドリングが素直でよく曲がりますし、直進性だって悪くない。エンジンのパワーも充分だと思いました。どちらかと言えば高速クルージングに主眼を置いた現在の同クラスのミニバンとは味付けがまったく異なるので、運転していて面白いです。

ただ、エンジンが座席下にあるので加速時はガーガーうるさいです。あとフロントシートのクッションが薄くて長時間ドライブだとお尻が痛い。

構造上、着座位置が高いので座面を厚くすることができなかったんでしょうね。

燃費はまずまず。街中でも8.2~3㎞/L。ネット上だと燃費極悪という書き込みをよく見るんですが、ラルゴって無茶なカスタムをされている個体が多かったですからね。そのせいもあるんじゃないかと思ってます。


ま、突っ込みどころを探せばキリないですが、それもこれもセカンドカーだと許せてしまうんですよね。一歩離れたスタンスでクルマと付き合えるというか。

ほら、クルマ1台だけだと自分の分身みたいなものと錯覚しがちじゃないですか。そうなるとボロな部分を許容できなくて楽しめなかったりする。

これぞセカンドカーのマジックです。

少し前まで沢山走っていたこのラルゴもいつの間にか見なくなりました。

中古車屋の店先に置いてあるとそうでもないですが、路上で見るといまのミニバンとはスタイリングがまったく違うのでかなりインパクトあります。

ハイウェイスターの派手なデカール、これあと10年経ったら間違いなくレトロでカッコいいって事になってると思いますよ(個人の感想です)。


そんなこんなでちょっとカスタムしてしまうのが惜しい気もしますが、今のところ、なるべく素の良さを残したまま進めようと思ってます。当初はまず全塗装して……なんてことを考えていたのですが、それが予算的に厳しいことも分かったので。

もちろん粗っぽい塗装なら予算内でやることもできるんですけど、それをしてしまうにはベース車の程度が良すぎましたね。ちょっともったいない。

カスタムをしていただくショップもすでに決まり、先日打ち合わせをしてきました。

次回の記事では具体的なプランをお伝えすることができると思います。ご期待ください!


(文/佐藤旅宇、写真/高柳 健)

GoGo-GaGa!

クルマ、モーターサイクル、自転車、ヒトに「自由」を与える乗り物の魅力を発信するWEBメディア