片岡義男『スローなブギにしてくれ』 エッセイストの温水ゆかりさんは、かつて、団塊世代の男性の “アメリカ好き” を揶揄 (やゆ) して、こう言った。 「 (私の知り合いの団塊世代は) 週末になると福生の米軍ハウスに住む友人宅に集まってバンドの練習をし、終わったら芝生のバーベキューをするのが楽しみだ、という。この世代のアメリカン・スタイルへの憧れは、のんきなまでに不滅。けっきょく進駐軍の最大の手柄は、この刷り込みに成功したことだったかもしれない」 確かに、この意見も分からないでもない。「アメリカが好きだ」という年寄りは、いまだに私の知り合いにもいる。 その基本のところには、アメ車があり、ロックミュージックがあり、(時にハーレーがあったり) 、それらのアイテムが現在の生...02Jul2020町田厚成COLUMN
ライダーは「不要不急の外出自粛」要請をどう受け止めるべきか不要不急の定義を議論することの無意味さ新型コロナウイルス(COVID-19)の脅威は我々の日常生活を脅かし、その規範さえも大きく変えようとしています。その最たるものが政府や行政の発する「不要不急の外出自粛」というメッセージではないでしょうか?SNSのバイク乗りコミュニティなどを覗いてみると、「不要不急」の定義について様々な意見が交わされています。曰く、「ツーリングは不要不急だ」「ストレス解消ができないとかえって健康に悪いのでツーリングは不要不急ではない」「他県まで行かないなら問題ない」等々。ちょっとしたケンカになっているようなケースも見受けられました。こう言っては何ですが「不要不急の外出」の定義にこだわることはじつに不毛なことだと思...13Apr2020COLUMNMOTO
たった2万円の機材で愛車を超絶カッコ良く撮る!インスタグラムをはじめとするSNSの発展により、愛車の写真を撮る機会が大幅に増えた昨今。より‟映える”写真を撮るためにカメラやレンズに多額の投資をした、なんて方は多いのではないでしょうか。また、反対にカメラ機材にそこまで投資できないから写真は諦めるなんて方もいるかもしれません。この記事では最小限の投資で愛車をカッコ良く撮影できる機材選びについて書きます。私は写真好きの素人に過ぎませんが、長く雑誌やWEBの編集ライターとして写真と関わってきました。そうした中で辿り着いたひとつの結論が「カッコいい写真は最低2万円あれば撮ることができる」というものでした。プロ用の機材なら「イイ写真」が撮れる、という誤解愛車をカッコ良く撮る近道はやはりデジ...08Feb2020佐藤旅宇CARCOLUMNMOTO
カークラブ「2nd CARS」始めました!遊び込まれたクルマのカッコ良さちょっとした思い付きからカークラブを作ってみました。その名も「2nd CARS」。旧いジムニーを所有するようになってみて分かったのですが、生活必需品であるファミリーカー(ファーストカー)と、休日用の遊びグルマ(セカンドカー)では、乗り手のメンタリティがまったく違うんですよ。路上でエンコしようが雨漏りしようが、後者なら腹も立たず、笑って許せたりする。スケボーの練習中に転んで腹立てる奴がいないのと同じです。で、こういう大らかな心構えでクルマと付き合うようになるとカーライフが急に前向きで豊かになるんですね。クルマを使って何か思い切ったことにチャレンジしたくなる。実はこういうクルマとの付き合い方って実際に2台所...29Dec2019佐藤旅宇CARCOLUMN2nd CARS
壊れないクルマとバイクの影安くて壊れない――― 日本のクルマやバイクは世界中でそう評価されている。 だから新車だけではなく、中古車も大量に輸出され、さまざまな地域の人々の暮らしを支えている。とくに丈夫なランドクルーザーやハイエースはアフリカの過酷な環境でも数十万キロを走るという。ある海外のテレビ番組はホンダ・スーパーカブのあまりにも高い耐久性の限界を知るべく、食用油をエンジンに入れて走らせただけでは飽き足らず、ビルの屋上から落下させた(ホイールなどは変形したものの、いちおう走ることはできた)。 日本車がこのようなかたちに進化したのは、日本の自動車産業が後発で、ヨーロッパ車の模倣からはじまったことも一因だろう。模倣といえば聞こえはいいが、要...27Nov2018山下 剛COLUMN
なぜ古いテクノロジーはノスタルジーを誘うのか1年に1回ほど会う友人がいる。出身校は違うが、同年齢だ。団塊世代の少し下という世代である。その彼は、昔からクルマの好きな男で、マニアックな知識をいっぱい蓄えている。駆動系を自分で自由に改造できる時代にクルマにのめり込んでいた人なので、「ボアアップ」とか、「ソレックスの3連」とか、「2T-G」とか、もう私が30年も遠ざかっていたボキャブラリーが飛び交うような会話で盛り上がった。その彼が、「自動ブレーキ」が定着しつつあるような風潮を嘆き始めた。「ドライバーが自分で危険を感知し、緊急回避できないようなクルマに乗るぐらいだったら、もうクルマから遠ざかって生きていた方がまし」だという。内燃機関の鼓動が感じられないEVとかハイブリッド車なども、...28Oct2018町田厚成CARCOLUMN
クルマの自動運転化は人間に何をもたらすか自動運転が実現したときに見える風景自動車が “百年に一度” という変革期を迎えているといわれている。 自動車の起源を、1885年のカール・ベンツが開発したガソリンエンジン車に求めるとするならば、それから130年余。内燃機関を柱にした現在の自動車は、ようやく100年以上続いた歴史の “終わりの始まり” を歩み出したのかもしれない。 約一世紀続いた現行自動車の劇的な変化を語るキータームは、いうまでもなく、「電動化」「自動運転化」である。 ガソリン車とは異なる進化の系としてEV(電気自動車)が台頭し、そのシステム制御を可能にした IT技術をより進化させることによって、自動運転化のメドが立つようになったのだ。 このままいけば、今後ドライバー...21Oct2018CARCOLUMN町田厚成
大人が「ミニ四駆」に魅了される理由いま、30~40代のホビーとして「ミニ四駆」が人気だという。毎年開催される公式大会「ミニ四駆 ジャパンカップ」は全国14会場/17大会という大規模でありながらどこも大盛況。とくに人気の高い東京大会などではコンスタントに2000人以上の参加者を集めている。イベントを主催するタミヤの担当者のお話では、会場キャパシティの関係でこれ以上参加者を増やすことはできないということだった。そうしたシーンの盛り上がりを受けて新製品が続々と登場している。もともとは子ども(小学生)向けとして誕生したはずのミニ四駆がなぜ大人たちの趣味として定着するに至ったのか? その理由を元ミニ四駆少年で、数年前に復帰した私の考えをもとに解説したい。21Oct2018CARCOLUMN佐藤旅宇